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30分で創作小説

誤字脱字意味不明等々あってもそのまま公開。あとで手入れしたものをサイトに載せる予定

  • 2024年11月25日

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  • 2019年10月29日

02:落っことしたキャンディ


まるでヘンゼルとグレーテルだ。
 私はそう思いながら、道端に落ちていたビー玉を拾い上げる。これで7個目。ポケットに入れ、またしばらく歩く。ころころ、と今度は数個まとめて落ちていた。
 引きずられ、袋の底の穴が大きくなってきたのだろう。キラキラ輝くガラス玉は幼い子供たちにとって、宝石のようなものなのだろう。様々な色、模様、少しの違いでそれらに価値を見出し、興奮している様子は微笑ましい。
 目の前の公園に辿り着く。大人の足ならばたいした距離じゃない、幼児向けの遊具が置かれた小さな公園。けれど子供たちからすれば、そこは遊園地にも代えがたい遊び場であり冒険基地。
「ほら、帰るよ」
「チカちゃん。まだ来たばっかりだよ」
 小さいくせに減らず口はきけるんだから。
「お昼寝の時間でしょ。フウタ君、カズ君がお昼寝してくれなきゃ、ママに怒られるんだけど」
「ママいないもん」
「お仕事だもん」
 幼児は可愛い反面、小憎ったらしい。なんせあの姉の子である。
「ママに言いつけるよ」
「言わないよ、チカちゃんは」
 妙に確信めいた二人の言葉。近寄ってきた兄のフウタ君から買収の密談。
「チカちゃんに良いものあげるから、ママには内緒ね」
 幼児の内緒話はなぜにくすぐったいのだろう。
 とても大切なもののように渡された1個のビー玉。
「大人はこれ、食べるんでしょ?」
 残念。
 この子たちにはまだビー玉とキャンディの区別がつかないらしい。
 きっと、義兄さんがまた禁煙し始めたのだろう。

お題配布元:エソラゴト。さま →ハロウィンで10題
http://eee.jakou.com/
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