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30分で創作小説

誤字脱字意味不明等々あってもそのまま公開。あとで手入れしたものをサイトに載せる予定

  • 2025年04月04日

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  • 2019年12月08日

子を想うような愛情を、恋情と勘違いしているのが分からないのか。


子を想うような愛情を、恋情と勘違いしているのが分からないのか。
 傍から見ていて、私は危機感を覚える。
 だが、それを面と向かって言うほど、私は彼女たちと親しくはない。ワイドショーを見るように、更衣室で語られる彼女たちの恋愛の行方を聞きかじるだけだ。
「いずれは結婚しようと思っているんだ」
と、牧瀬は嬉し気に言うが、竹中主任は年上だが、精神年齢はずいぶん低いと思わざるをえない。
 社会人として天然、とかマイペースと周囲に思われているが、あれはそういう類のものではないと私は見ている。あれは、中身が子供なのだ。
 だが、決して中身が子供であることを悪いと私は思っていない。そういうタイプの人間は得てして探求心が強く、興味を持つと熱中しやすく、がむしゃらに突き進む。
 実務的な結果を出すのは彼らのようなタイプであることが多い。ただ、彼らには出世欲や向上心はない。やりたいことをやりたいだけなのだから。
 牧瀬から語られる竹中主任とのやり取りは、母親と息子のやり取りに似ている。
 「年上だけれど、可愛いところがある」
と常々いうが、それは彼女の母性が感じている愛情でしかないと推測する。決してそれは恋ではない。
 彼女はそのうち気づくだろう。竹中主任との間にあるものは恋ではなく、憧れであり、母性でしかなかったことに。
 そしてそれに気づいた時、傷つくのはきっと彼女一人だけだろう。竹中主任はいつか恋を経験する日があるのだろうか。失恋し、成長する日がくるのだろうか。
 私は帰りの更衣室で牧瀬が嬉しそうに語っている姿を見かけると、漠然とした不安に陥る。
「お先に」
 楽し気に語らう彼女たちの横をすり抜け、冷たく暗い街に足を向ける。

お題配布元:リライトさま →組込課題・文頭
http://lonelylion.nobody.jp/
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